相馬財閥の御曹司で鳥類学者の相馬日和が新進気鋭の国際政治学者で才色兼備な女性、真砥部凛子と出会ったのはソウマグローバル主宰の「22世紀朝の研鑽会」の場であった。やがて二人は結婚して10年が経ち、凛子は国会議員となり少数野党の党首として議会に席をおいていたが、総選挙の結果長年与党として君臨していた民権党が敗退して連立政権が樹立され、初の女性総理大臣として指名されたのだ。
それまで鳥類学者として穏やかな日々を送っていた夫日和の毎日は一変し、生活の全般に渡って総理の夫としての役割を担うことになり、時には凛子の外遊に付き添い、日々の行動や言動も制約され好きな鳥との時間も自由に持つことができなくなった。信頼していた職場の女性からはハニートラップを仕掛けられたり、総理公邸への引っ越しを余儀なくされより一層の制約に縛られたり、総理としての凛子はもちろんその夫の日和も共に毎日が奮闘の日々だったのだ。
これらのことを後世に残すべく日記に綴ったのが本書であるが、政府専用機や総理公邸の様子なども垣間見られました。(どこまで本当か?)凛子が高齢といわれる年齢でしかも一国の総理大臣の立場ながら図らずも妊娠し産むかどうか決断を迫られ右往左往するあたりは、ペーフェクト・ウーマンとも言える凛子も仕事と出産の狭間で悩む女性だったのかと改めて思いました。
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