その女、アレックス  ピエール・ルメートル

 原作者ピエール・ルメートルが来日したとの記事を読みました。インタビューで「読者の確信が揺らぐようなショックを与えたい。波もなくて読み終えてスムーズにベッドに入ることができる小説が、出来がいいといえますか?」と話していますが、まさに度肝を抜かれるような小説でした。全三部からなり、第一部で誘拐されたアレックスは読み進むのが辛くなるほどの暴力を加えられ、裸のまま木箱の檻に入れられ、ロープで吊るされるという過酷な状態にされされます。理由はなぜか?第二部では次々に起こる猟奇的な殺人、共通しているのは硫酸を口に流し込むという手口、犯人を追い苦悩するパリ警視庁の捜査班。第三部ではアレックスの壮絶な過去が明かされていき、驚くような展開になります。ミステリーなのでこれ以上は書きませんが、逆転に次ぐ逆転の先の展開を想像するのが難しい小説でした。

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