幻の声 他     宇江佐真理

 宇江佐真理さんが66歳という若さで亡くなられました。江戸の下町人情やミステリー、「雷桜」などの青春純愛小説、生まれ育った北海道が舞台の小説など数々の作品を残されました。テレビなど動く映像では拝見したことがなかったのですが、写真やエッセイなどから拝察すると明るくとっても朗らかで頼りになるお母さんというイメージでした。「泣きの銀次」、「髪結い伊三次」シリーズの他にも「おぅねぇすてぃ」「卵のふわふわ」「富子すきすき」など題名に引かれて読んだ作品もありました。ところで「おぅねぇすてぃ」はビリー・ジョエルの「Honesty」、「髪結い伊三次」シリーズの「黒く塗れ」はローリング・ストーンズの「Paint it black」、「雨を見たか」はCCR(クリーデンス・クリアーウォーター・リバイバル)の「Have You Ever Seen The Rain」から題名が付けられた?のかとふと疑問を持ちました。わかる方がいたら教えて下さい。

 多くの作品は江戸の下町が舞台で質素ながら真面目に生きている人々が描かれています。ふつうの主婦で台所の片隅が仕事場だったとエッセイで読みましたが、これほどの作品を家事や子育てをしながらというのは並大抵のことではありません。まだまだ書きたかった作品など心残りがあったことと思います。ご冥福をお祈りいたします。

0コメント

  • 1000 / 1000