2016.5.13
次々にあらわれる美味しそうな食べ物の数々に食べたい、買いたい、作ってみたいと思わせる本でした。
阿川家の関西風なすき焼きは関東育ちの夫が好きな食べ方でしたし、山梨の信玄餅はブドウ狩りの帰りに妹が買ってきてくれるお土産の定番でした。キャビアやラクダのつま先はなかなか食べる機会がありませんが、切り干し大根や家庭で作るような普通のハンバーグも出てくるので高級なものばかりのグルメ本ではありません。
お母様が昔時々作られた手間のかかるオックステールシチューにチャレンジした話や友人のところでいただいたコーヒーの美味しさに目覚め、家の棚にいつからあったかわからないコーヒー豆でたてた?の味に改めてコーヒーは新鮮に限ると思った話など短いけれどウィットに富んだエッセイでした。
この中で私が一番惹かれたのは、阿川さんが台湾で食べ気に入って竹製の蒸し器と共に買ってきたという銀糸巻(インスーチェン)でした。東坡肉やフカヒレの姿煮に添えられて出てくる白いパン(花巻)と同種の中華饅頭ですが、中身の生地が糸を束ねたように繊細に練りこまれ、20センチ位のコッペパン型をしており蒸すか油であげて食べるそうです。花巻らしきものは食べたことがありますが、糸を束ねたようなこれは未体験です。銀糸巻中毒とまで阿川さんに言わせたこの中華饅頭食べたーい。
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