静おばあちゃんにおまかせ 中山七里 「さよならドビュッシー」「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」と有名作曲家を題名にしたミステリーで作者は音楽の素養豊かな人かと思い、「ヒポクラテスの誓い」では研修医が法医学教室で変わり者として有名な教授の厳しい指導の下で、遺体の解剖に立ち合い真実を見つけ出すというミステリーでは、解剖学のおかれている立場や解剖する遺体の匂いや凄惨さが伝わってくるような具体的な表現に「科捜研の女」ファンの私としては毎回出てくる解剖の場面がいかにドラマ的だったか感じさせられたのですが、本作品では静おばあちゃんは元裁判官であり、警視庁一課の青年刑事葛城が立ち向かう難事件を孫娘で法律家志望の円から聞いてはヒントを与え解決に導くというストーリーです。26Nov2016ミステリー
家康の子 植松三十里 徳川家康の次男として生まれた秀康が15も歳のはなれた長男信康の計らいで父家康に初めて会ったのは、於義丸と呼ばれていた3歳の時だった。やがて織田信長亡き後着々と権力を伸ばしつつあった秀吉の養子(実質的には人質)として大阪の城で暮らすことになり、時に遠く離れて暮らす母お万を思い、父家康の自分への冷酷さを思う秀康であった。19Nov2016時代小説